【夫の浮気対応】発見した時に妻のとる行動|不倫発覚時の対応方法
【既婚者の不倫対応】夫婦の浮気問題は恋人の対応方法とは違う
男女の間に浮気の2文字はつきものです。恋人時代の浮気であれば、修羅場をへて浮気男とはお別れすれば話は終わり。しかし、夫婦となると浮気問題は、現実的には別れを一方的に突き付けて終わりというわけにはなかなかいきません。愛を誓った夫が浮気した。当然、修羅場になるでしょう。心の中は夫への失望と憎悪でいっぱいです。浮気相手もふくめ、自分が負った心の傷の深さに、復讐を考える人もいるでしょう。
しかし、夫婦間の浮気では「責任追及」を忘れてはいけません。夫婦は、共同して生活する義務があります。婚姻している男女が、別の相手と肉体的関係を持つことは、法律的には「不貞行為」と呼ばれます。不貞行為は、共同生活を行う夫婦の義務を損なう行為です。浮気した配偶者と浮気相手、両者へ浮気の責任追及として、慰謝料請求する権利があなたにはあります。
夫の浮気が発覚しても、まずは慌てず一旦冷静になることが肝心です。情報を集め、対策を練ることが「後悔しない離婚」に必要なステップです。
【携帯で発見した浮気の対応】スマホで見てしまった怪しいやりとりは…
夫の浮気が妻にバレる経路として、よくあるのが「携帯のメール」です。女性の勘はあなどれないもの。「携帯を家の中でも気にするようになった」「メールが届いたのに、別の部屋で読もうとする」といった、夫の些細な行動の変化を見逃しません。
あやしい、と一度ひらめいた妻の前では携帯のロックは無力。一瞬のスキをついて、盗み見た携帯に残された「浮気相手とのラブラブなメールのやりとり」。ここで、すぐに問い詰めるのか、深呼吸をして携帯電話を置くかが浮気対応の分かれ目となります。
夫の携帯に疑わしいメールを発見したとしても、「浮気してるでしょ!」と問い詰めるのは得策とはいえません。なぜなら、怪しいメールのやり取りだけでは、裁判所では「不貞行為の証拠としては弱い」と考えられてしまうからです。メールは偽造することも可能。加えて重要なのが、裁判所で争われる浮気とは、「肉体関係があるか」が一番のポイントです。「好きだよ」と夫がハートマークと一緒に浮気相手に送ったメールでも、それだけでは「肉体関係がある」と立証する証拠としては、十分ではないと考えられています。
また、夫に直接問い詰めたとしても、「ちょっと相談にのっただけだよ」「酒に酔った悪ふざけだよ」とはぐらかされてしまう可能性もあります。もし夫の浮気から、少しでも「離婚」の2文字が頭に浮かぶようであれば、あえて証拠のために夫を泳がせるほうが、あとあと有利に事を運べるといえるでしょう。
【妊娠中の浮気】最悪なタイミングで浮気をする夫への対応
浮気する夫の中で、もっとも悪質といえるのが、妻が妊娠中に浮気する男です。妊娠・出産というタイミングは、夫婦が絆を深める重大なライフイベントの一つです。しかし残念なことに、里帰り出産などで妻がいない隙にこれ幸いと、浮気をする夫もいます。
こうした男性には、妻を支えようという気遣いや、子どもの父親になる責任感が欠けています。しかし、妊娠中に夫が浮気をしても、ただの一夜の火遊びとしておさまるケースもあります。父親になる前の重責から一瞬だけ現実逃避がしたい。その夫の弱さを許せるのであれば、問い詰めず心の中にしまっておくのも一つの手です。
ただ、浮気相手と深い仲になっていたり、出産後も度重なる浮気に悩まされるようであれば、離婚も視野に入れ対策しておくことをおすすめします。離婚を決断する前に、将来的な経済面での不安や、子育てに実家のサポートを得られるかどうかなど、現実的なひとり親家庭として生きていくシミュレーションが必要です。
その場合、産まれた子どもへの親権と、慰謝料・養育費を含む金銭的な取り決めは、うやむやにせず要望を明確にして文書として残すのをおすすめします。産まれた小さい命を抱いて、子どもへの愛情が湧いてくる夫もいます。妊娠中から、産後の生活について二人で話し合ったり、育児本や両親学級への参加を通じて、夫に家庭を支える父親の責任感を意識してもらうのも、浮気予防にはいいかもしれません。
【法的制裁】浮気が発覚した夫と浮気相手へ慰謝料請求などの対応策
浮気した夫と浮気相手に制裁を与えたい、泣き寝入りは絶対にしないと思うのであれば慰謝料請求をおこないます。
慰謝料は離婚する場合、夫と浮気相手の両者に請求することが可能です。浮気の損害額が200万円だとしたら、両者に対して200万円請求する権利があります。ただし、損害額を超えての二重取りをすることはできず、2人対していくらという考え方になります。仮に夫があなたに200万円の慰謝料を支払った場合、浮気相手があなたに払うのは0円となります。夫が浮気相手に払った分の請求(求償権)をするかは夫の自由です。離婚しない場合は浮気相手へするのが一般的です。
離婚する場合・しない場合で慰謝料の相場は変わります。そのほかに、婚姻期間・夫婦関係・子どもの有無など、慰謝料の金額に関係する夫婦の要因は複数あります。浮気する前から夫婦関係が破綻していた場合は、不貞行為は夫婦関係に損害を与えたとはみなされず、慰謝料請求はできないものとされています。
裁判で争う場合も、示談で慰謝料を請求する場合も、確固とした浮気の証拠が相手に言い逃れされないための決め手となります。弁護士のような専門家に依頼するにせよ、自分で話をつけるにせよ、浮気の証拠集めは必須の準備です。夫が浮気相手とラブホテルで密会しているなど、明らかに「肉体関係がある」と証明できるモノが理想です。個人で証拠集めが難しいと感じる場合は、浮気調査専門の探偵事務所などに頼むのもよいでしょう。
浮気相手が既婚者のケースでは、相手方の配偶者に浮気の事実が知られた場合、先方からこちらの浮気夫に慰謝料請求を起こされる可能性があります。その場合、慰謝料は相殺となり一円も懐に入ってこないという可能性もあるので、浮気相手の状況に合わせて慎重な行動が必要です。
【離婚する時の対応】浮気が原因での離婚ならしっかり償ってもらいましょう
夫婦で話し合いを重ねても、浮気が原因で離婚という結果になる場合、けじめをつけることが再出発には重要です。
まず第一に、相手が何と言ってもうやむやにせず、慰謝料請求はきっちり行うことをおすすめします。慰謝料を支払わせることで、「この離婚は夫に責任がある」と明確にすることができます。また、浮気相手にも慰謝料を請求できれば、すべての気持ちが収まるとは限りませんが、いくばくかの溜飲を下げることができます。子どもがいる場合は、親権の取り決めとともに、養育費の支払いについても協議します。離婚したとしても、子どもを養育する責任は残ります。
養育費は、両者の年収と子どもの人数・年齢に応じて算出されます。二度と浮気夫とは関わり合いになりたくない、という気持ちもわかりますが、養育費はあくまでも子どものためのお金。離婚後の経済状況とあわせて慎重に決断しましょう。
金銭がからむ項目として、ほかに財産分与があげられます。財産分与では、基本的に婚姻中夫婦で築いた共同名義の財産を2分割します。専業主婦でも、財産分与の権利は平等に認められています。稼いだ貯金は全部俺のものだ、と主張する夫もいるかもしれません。結婚生活中の貯蓄や購入した車・家などは財産分与の対象になります。家事・育児・料理など日々の専業主婦としての仕事は家庭への貢献と認められています。遠慮せず、財産分与についても主張してください。
慰謝料・養育費・財産分与など、金銭がからむことについては、特に文書として残しておくことをおすすめしています。一般的には、示談書と呼ばれる両者が合意した内容を書いた紙を作成します。相手方にも署名と捺印をさせることで、お互いにこの条件に納得した、と明確に残すことができます。
慰謝料が分割であったり、養育費など月払いで支払われる項目については、公正証書を作成しておくとさらに安心です。公正証書とは、不払いなどの不履行が発生した際、財産や給与を差し押さえる強制執行の申し立てを裁判所に行える効力を持った書類です。
また、個人の手に負えないと感じるようでしたら、浮気調査専門の探偵や弁護士に依頼することも検討しましょう。離婚後、慰謝料や養育費が支払われない、といったケースは少なくありません。リスクに対して備えることで、後悔しない離婚から、新しい再出発につなげられると思います。