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浮気の法律や関連用語は素人でもわかる?既婚者の不倫、民法の不貞行為


夫婦の浮気問題に関する法律(民法など)の専門用語は素人でもわかる?

法律の用語は、ただでさえ難解なものが多いです。とくに、弁護士事務所のウェブサイトは正しい情報が記載してあるものの、一般人には難しい言葉で書かれており理解するまでに時間がかかることも。

法律を制すものは浮気問題を制す、とは言いすぎですが、夫婦間での浮気のイザコザには法律の知識が多少なりともあるほうが有利です。浮気に関わる法律は、民法で定められています。民法とは、日々の暮らしに関連することを定めた法律です。知識として、知っておいて損はないことがたくさんあります。

民法とは

日常生活の基本的なルールを定めた法律です。おおまかに、財産に関連する「財産法」と、家族関係に関する「家族法」に分けられます。人同士の争いの解決に適応されるのが民法です。

民法と刑法の違い

私人間のルールを取り決め、権利の調整をはかるのが民法に対して、刑法では悪いことをした時の罰を規定しています。懲役や罰金などの刑罰を定めているのが刑法です。

たとえば、浮気問題で男女関係のもつれから、浮気相手が家にまで押しかけてきたり、つきまとったり、無言電話などの嫌がらせをするようになったとします。このような恋愛感情によるつきまとい行為は、犯罪で刑法により罰せられます。適用されるのは、「ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)」です。

ストーカー規制法では、つきまとい・待ち伏せ・押しかけ・無言電話・名誉を害することなどの嫌がらせ行為を禁止しています。法に抵触したものは、罰則として「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」もしくは「(禁止命令に違反した場合)2年以下の懲役または200万円以下の罰金」が課せられることになります。

いっぽう、夫の浮気問題で妻がショックをうけ、鬱病を患い日常生活が送れなくなったとします。このさい、妻が精神に異常をきたした責任は夫と浮気相手にあります。夫の不貞行為により夫婦生活が破綻し、精神的な苦痛を負ったとして損害賠償を求めるのが、民法に基づく争いの解決方法です。夫や浮気相手は逮捕されたり懲役がつくのではなく、慰謝料請求という形で、妻に与えた精神的苦痛を償うことになります。

このようにして、夫婦の浮気問題を争うさいは、おもに民法が適用されます。しかし、争いの最中において暴力沙汰や住居への断りのない侵入・つきまといなど、社会的な規範に反して個人を害する行為が発生した場合は、刑法によって処罰される場合もあります。

浮気について関連する法律を知る時、大切なのはまず、法律上の「不貞行為とは何か」をきちんと理解することです。世の中には、浮気と不貞行為をごちゃまぜに考えている人がたくさんいます。誤解したまま離婚裁判や慰謝料請求を理解しようとすると、話がかみ合わない場合があります。次の章では、法律上定める「不貞行為」についてみていきましょう。

民法の不貞行為??既婚者はどこからが浮気?境界線は?(浮気の定義)


あなたにとって、どこからが「浮気」でしょう?

手をつないだら
キスをしたら
セックスするまでは浮気じゃない

人によって、浮気の線引きは様々です。嫉妬深い女性なら、二人で食事に行くのも浮気、というかもしれません。

法律上、浮気のことを「不貞行為」と呼びます。不貞行為は、夫婦関係にある男女が、配偶者以外の異性と自由意志で性的関係をもつ行為のことを指します。夫婦は共同で婚姻生活を送る義務を負っており、不貞行為は「貞操義務違反」とされ、民法第770条に規定された「法定離婚事由」に認められる離婚原因になります。

男女関係の争いで「浮気した」というとき、浮気がどんな行為を指すのかは当事者の認識によって変わります。しかしながら、夫婦が浮気問題を争う時、とりわけ裁判においては「浮気」とは「性的関係を持つ不貞行為」に限定されます。

浮気・不倫といった単語には、気持ちの面での行為も含まれてきます。しかし、不貞行為という法律用語には気持ちの面での変化は影響があまりなく、あくまでの性的関係を伴うものであるか、ということに焦点がおかれています。

夫が若い女性とキスをしていた。浮気だから離婚だ!という証拠だけでは、裁判では法定離婚事由の不貞行為としては認められません。慰謝料を請求したり、離婚を争う場合は、配偶者が他の異性と性的関係にあるということを主張する明確な証拠が必要になるのです。

境界線は「セックス」ですが、状況によっては離婚事由となる不貞行為とは認められない場合もあります。逆に、女性器への男性器の挿入、いわゆる「本番」ではない類似の性的行為でも不貞行為と認識されることもあるのです。

1回きりの不貞行為は裁判では離婚事由とみとめられない?

魔がさして好意ある異性と性交渉をしてしまった。1回でも性交は不貞行為にあたります。しかし、もし1回だけの不貞行為であれば、裁判で離婚事由としては認められない可能性があります。

というのも、離婚事由として認められるには、この不貞行為が夫婦関係を破綻させた原因である必要があります。1回だけの不貞行為では、裁判において夫婦関係を破綻させるほどの影響力はないとみなされるケースが多いのです。また、同様に別居など夫婦関係がすでに破綻している後で発生した不貞行為についても、おなじく「夫婦関係を破局させた原因ではない」として離婚事由とは認められません。

風俗での肉体関係も不貞行為になる?

風俗通いは性欲の解消のためだけだから、浮気ではない=不貞行為にならないと解釈する人がいます。これは、法律上では通用しない判断です。風俗で働くプロの女性がお相手でも、性行為を持った時点で不貞行為と判断されます。さらに風俗通いが夫婦関係を破綻させた原因と認められれば、不貞行為として離婚事由が認められることになるでしょう。

挿入をともなわない性的行為は不貞行為?

裁判での不貞行為は「配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて配偶者以外の異性と性的関係をもつこと」と定義しているわけですが、ここでいう「性的関係」にはどれくらいの範囲の肉体的接触がふくまれるのでしょうか。

快楽を得るために裸で抱き合う、オーラルセックスや手淫も、過去の判例において裁判では「不貞行為」として認識されています。このような挿入を伴わない性交以外の行為を、性交類似行為と呼びます。裁判の判例が、不貞行為を性交だけに限定していないのは、上記のような性交類似行為でも婚姻共同生活の利益を侵害する行為に該当すると考えられるからです。

つまり、デリヘルなど本番以外の風俗でも、裁判において不貞行為と認められる可能性は十分にあるといえます。また、本人たちは一線を越えていないから大丈夫と思っていても、ラブホテルで逢瀬を繰り返しオーラルセックスなど性交類似行為を行う場合は、不貞行為と認められ離婚事由となる可能性があるといえるでしょう。

浮気は不貞行為で法律違反?それは犯罪?

不貞行為は、犯罪にあたるのでしょうか?前段で説明した民法と刑法の観点から考えてみましょう。

不貞行為は、犯罪ではありませんが、民法での「不法行為」に該当します。つまり、浮気相手と性的関係をもつことは、刑法で罰せられるように逮捕されたり刑務所に入ることはありません。しかし、不法行為として損害賠償責任を負うことになります。

この損害賠償責任で支払われるのが慰謝料です。浮気をすると警察に捕まることはありませんが、配偶者に与えたダメージにより慰謝料請求を訴えられる可能性があります。また、離婚を言い渡されたり、家庭に与える影響は計り知れません。魔がさして誘惑についていく前に、家族の顔を浮かべて思いとどまることが、家庭の平和を守ることになるでしょう。

用語まとめ|浮気問題の法律用語や関連する言葉を整理してみました

ここでは、浮気問題でよくみかける法律用語などを解説しています。

■浮気問題での慰謝料請求・責任追及に関わる用語

・不貞行為

婚姻関係にある男女が、ほかの異性と性的な関係をもつこと。婚姻関係を破綻させた原因と考えられる場合は、法定離婚事由となり得る。

・示談・示談書

夫婦、もしくは浮気相手と当事者間で浮気問題について話し合って解決すること。浮気の関係清算や慰謝料の金額など、示談で取り決めた内容を紙に記したものを示談書と呼ぶ。

・誓約書

浮気問題の話し合いで約束した内容を記した書類。法律的には名前が違うだけで、意味合いは示談書とほぼ同じ。誓約書には署名する人はひとり、示談書では合意した双方が署名するという違いがある。

・慰謝料

不貞行為など、不法行為があったさいに、損害を与えた代償として支払うお金のこと。浮気問題では、浮気した配偶者と浮気相手双方に慰謝料請求をすることができる。

・慰謝料請求書

慰謝料の支払い方法や金額について詳細が記載された書類。

・内容証明郵

郵便局の提供するサービス。「いつ、だれが、どんな内容で、だれに」文書を送ったかを、差出人が作成した謄本によって、郵便局が証明する。慰謝料請求書等を郵送するさい、「受け取ったかどうか」の誤魔化しを防ぐために活用できる。

・公正証書

公証役場にて、公証人が作成する公文書。誓約書や示談書など浮気問題の解決に関する書類をもとに公正証書を作成することで、慰謝料不払いなどの契約不履行の際に裁判所に強制執行の申し立てをすることが可能となる。

・有責配偶者

離婚事由となる原因を作った配偶者。浮気した側を指す。有責配偶者から、裁判での離婚申し立ては原則認められないことになっている。

・共同不法行為

浮気の責任は浮気した配偶者だけでなく、浮気相手にもあるとする考え方。不貞行為は民法上の不法行為にあたり、性的行為を行う相手がいて成立するものなので、共同不法行為にあたる。損害賠償の慰謝料支払い責任も、共同して負うことになる。

・求償権

共同不法行為よって発生した損害賠償を、一方が他方の負債を超えて支払った場合に、他方の責任分の金額の支払いを要求できる権利。浮気相手に慰謝料200万円の支払いを請求し、その金額が慰謝料の相場の全額だった場合、浮気相手は200万円を支払ったあと、共同負債者である浮気した配偶者に半額の100万円の支払いを要求できる。これを求償権の利用という。

■裁判に発展する場合に関連してくる用語

・裁判と調停

夫婦で離婚問題を争う場合、かならず裁判の前に調停を申し立てる。調停では、主に2名の調停委員が双方から言い分を聞き、言い分が合意すれば調停成立となる。調停では解決できなかった場合に、離婚裁判の訴訟を行う。

・証拠能力

裁判所に提出する資料や物証が証拠として採用されるかどうかの資格。民事裁判では、原則として証拠能力に範囲を定めておらず、写真1枚からも証拠として提出できる。

・証明力

提出した証拠により、事実認定について裁判官が持つ主観的な認識や確信に与える影響のこと。証明力がある証拠ほど、「不貞行為があり離婚事由となる」と主張するのに役立つことになる。

・自由心証主義

裁判所が判決を下す際に、法律上拘束されず裁判官が証拠資料に基づいて自由に判断できる主義。

・民事訴訟費用法

離婚裁判にかかる費用は、「訴訟費用」と「弁護士費用」があり、裁判にかかった訴訟費用を敗訴者が負担することを定めた法律。ただし、裁判中にかかる費用はいったん当事者が支払い、のちに敗訴者から取り立てる。弁護士費用については勝訴でも敗訴でも自らが支払う。

・家庭裁判所

離婚問題など、家庭に関することを扱う裁判所。子どもの親権や養育費の取り決めなどを争う場合にも家庭裁判所の管轄となる。

・簡易裁判所

民事訴訟を扱う裁判所。140万円以下の賠償金額であれば簡易裁判所に訴える。

・地方裁判所

民事訴訟を扱う裁判所。140万円以上の損害賠償を扱う。

・法テラス

国が設立した、法的トラブルの総合案内所。電話・メール・窓口で相談できる。配偶者が浮気したけどどうしていいかわからない。離婚や慰謝料請求についての手順など知りたいなど、関連する法律の情報や法制度についてアドバイスしてくれる。弁護士などの法律相談が必要だけど、経済的に苦しい場合は無料の法律相談を利用することも可能。

・ADR(裁判外紛争解決手続きAlternative Dispute Resolution)

裁判だとお金がかかる、示談では当事者との話し合いができない、そんな場合に当事者と第三者の専門家で紛争解決する手続き。「紛争解決センター」というような名称で、弁護士連合が主催するなど、日本各地にADRを行う組織が存在する。

■離婚する場合に関連してくる用語

・離婚届

離婚する際に役場に届け出る書類。未成年の子どもがいる場合は、親権の取り決めを記載する欄があるため、離婚届けを提出する前に決定する必要がある。

・離婚届け不受理届け

いっぽうの配偶者が、他方の意思に反して離婚届けを提出しても受理されないようにする手続き。

・法定離婚事由

民法770条で定める、裁判で認められる離婚の原因。「不貞行為」「悪意の遺棄」「3年以上の生死不明」「強度の精神病に罹り、回復の見込みがないこと」「その他婚姻を継続しがたい重大な事由があること」の5つがある。

・協議離婚

当事者間で合意し、離婚届けを提出して成立した離婚

・調停離婚

当事者の話し合いでは解決せず、調停において合意し成立した離婚

・裁判離婚

調停不成立のあと、離婚訴訟において成立した離婚

・調停前置主義

離婚裁判を申し立てる前に、かならず調停の申し立てを経なければいけなという制度。

・婚姻費用分担請求

夫婦が別居している場合、生活費や未成熟子の生活費を「婚姻費用」として請求できること。婚姻費用が支払われない場合、家庭裁判所に支払いを求める「婚姻費用分担請求調停」を申し立てることができる。

・離婚協議書

離婚するさい、慰謝料・財産分与・親権・養育費など、必要な取り決めを記載した文書

・養育費

離婚後、親権を持たなかった側が、親権を持つ親に支払う子どもを健全に養育するための費用。養育費の相場は、双方の年収・子どもの年齢・子どもの人数によってほぼ機械的に算出される

・財産分与

婚姻中に夫婦で築き上げた財産を、離婚時にそれぞれの貢献度に応じて分配すること。専業主婦でも財産分与の権利がある。

・年金分割

離婚するにあたって、夫婦の年金を分割できる制度。婚姻中は給料に応じて年金にかかる費用は天引きされており、離婚時に夫婦でその実績(記録)を分け合うことができる。

・親権

親が未成年の子に対して持つ、身分上・財産上の保護監督、教育に関する権利・義務のこと。離婚時は父母のどちらが親権を持つか取り決める必要がある。

・監護権

親権に含まれる子どもを世話する権利。日ごろの生活を管理したり保護する、身分上の保護監督の権利・義務がこれにあたる。多くの場合は親権と監護権はセットで扱われるが、なんらかの理由がある場合、親権とは別に他方の親が監護権者になるケースがある。(例:親権は父親だが、海外出張で不在のため母親が監護権者として子どもと生活する)

・面会交流

離婚後、子どもと一緒に暮らしていない親が定期的に子どもと会う権利。面会の頻度や方法は、双方の主張をもとに話し合いや裁判で決定される。

■浮気問題のプロ

・弁護士

法律についての専門家。離婚・親権・慰謝料など浮気問題に関するあらゆる法律面に対応できる。また、代理人として交渉を依頼することも可能。

・司法書士

法律の知識をもとに、登記ならびに供託の代理、裁判所等に提出する書類の作成などを行う。法務大臣から認定を受けた司法書士は、簡易裁判所における民事訴訟において当事者の代理業務を行うことができる。

・行政書士

法律の知識をもとに、文書を作成することができる専門家。弁護士や認定司法書士のように当事者の代理業務をすることはできない。

・探偵・興信所

不貞行為の証拠を集めたり、浮気相手の素行調査を行う専門家。

・離婚カウンセラー

夫婦の離婚問題について、感情面でのアドバイスを専門に行っている人々。夫婦関係を修復させるか離婚するかカウンセリングを行い、解決にむけて相談にのってくれる。

法律の疑問!?既婚者はキスや二人きりの食事は浮気じゃないってこと!?


離婚事由となる「不貞行為」は、性交や性交類似行為などの性的関係があることが前提であるとお話ししました。

それでは、結婚して家庭がある身分でも、異性とキスしたり、プラトニックな関係だからと恋人を作るようなことは、法律上許されるのでしょうか?

性交や性交類似行為に該当しない、キスだけの関係であったり、二人で会って食事してデートするだけの関係であれば、不貞行為とは認められません。しかしながら、配偶者のその行為が婚姻関係の継続に影響を及ぼすようであれば、「その他婚姻を継続し難い重要な事由があるとき」に該当すると判断され、法定離婚事由となる恐れがあります。

民法770条の1項5号で定める婚姻を継続しがたい重大な事由には、性格の不一致・価値観の相違などの離婚が当てはまります。DV・暴力・虐待や、配偶者が宗教活動に没頭し家庭生活が成り立たない場合なども、想像つきやすいかもしれません。ほかにも、性的不能・性交拒否・性的異常というケースもあります。わかりやすいのはセックスレスです。長年の夫婦間でのセックスレスは離婚事由に相当すると裁判で判断されます。

この1項5号では、婚姻生活が破綻しているかどうか、離婚されてもやむを得ない程度のものであるかが客観的・主観的に判断されます。不貞行為ではなくとも、配偶者が恋人を作り、それが原因で夫婦関係が破綻すると認められる場合には、離婚事由となる可能性があると言えるでしょう。

夫婦は法律で、共同生活を成立させるために互いに協力する責任と義務を負っています(民法第752条同居、協力及び扶助の義務)。性的関係がないからといって、なんでも許されるわけではありません。夫婦関係が正常に保てず、家庭が機能しないほど深刻な場合は十分に法定離婚事由に該当すると考えられます。

プライバシー侵害?浮気を疑って夫(妻)の携帯を盗み見するのは法律違反?


配偶者の携帯を盗み見るのは、浮気問題でよくあるケースです。この携帯の盗み見が違法行為になるのか、刑法と民法の二つの点からみてみましょう。

刑法では、「不正アクセス禁止法」に触れるおそれ

刑法で罰せられる犯罪行為になるかどうかは、不正アクセス禁止法との関連が考えられます。不正アクセス禁止法とは、他人のIDやパスワードを用いて、ネットワークを介して不正にサーバーに接続する行為を禁止した法律です。

携帯を盗み見る行為では、GmailなどのWebメールにアクセスした場合、この不正アクセス禁止法に該当する恐れがあります。また、Facebookなどネットワークに自動接続して情報を更新するアプリの場合、アプリを起動しただけで同法律に抵触する可能性があります。

民法では、「プライバシーの侵害」に該当する

携帯に入っている情報は、個人の連絡先・写真・メールなどプライベートな領域です。これを盗み見る行為はプライバシーの侵害とされ、民法上で損害賠償請求をされる可能性があります。夫婦と言えども、互いのプライバシーを尊重しなければなりません。たとえ訴訟を起こされなかったとしても、携帯を盗み見た行為を知られたら、それをきっかけに夫婦関係が悪化することは想像に難しくありません。

携帯の盗み見で得た証拠でも、裁判の証拠として採用できる

上記のように法に触れる場合でも、民事裁判は証拠能力を限定していないため、携帯の盗み見で発見したメールや写真を証拠として提出することが可能です。

しかし、人道的・社会的に反するような行為で手に入れた証拠は、証拠能力を否定されないとは言い切れません。また、携帯メールなどは「不貞行為」が明確に推測される証拠とは考えられないケースが多いため、手に入れた証拠が裁判で主張を立証するのに有力であるかは、別に考える必要があります。

携帯を盗み見る行為が、法律で罰せられるかは相手の気持ちや出方次第です。しかし、法律に触れるリスクはあります。相手の人に知られたくない領域を荒らす行為として、「浮気が心配だから確かめたい」ぐらいの気持ちであれば、実行するリスクのほうが大きいといえます。安易にパートナーの携帯を覗き見る行為は、やめた方が賢明といえるでしょう。

浮気・離婚問題で夫(妻)や浮気相手と争うときには法律では証拠がすべて?

裁判で離婚や慰謝料請求を争う場合、その原因となる事実が正しいと証明する証拠が求められます。

「不貞行為」を離婚事由として裁判で争うのであれば、配偶者が浮気相手と性的関係にあることを、離婚を申し立てた側が立証する責任があります。また浮気相手に慰謝料請求の訴訟を起こす場合も、不貞行為あるかどうかが主な争点となりますから、同じように性的関係の有無を立証しなければなりません。

このような場合、証拠が「配偶者が浮気相手とやりとりした携帯メール」だけでは、裁判に勝つには不十分であると考えられます。なぜならば、メールでは「不貞行為がある」と推測する根拠としては弱いからです。裁判における明確な不貞行為の証拠には、「ラブホテルへの出入り写真」など、性的関係があると強く証明できるものが望ましいとされています。

しなしながら、当事者間での話し合いで解決する示談においては、証拠が絶対というわけではありません。相手が浮気の事実を認めるのは、心理的な駆け引きも重要になります。メールひとつで、不貞行為を認めるケースも十分あり得ます。

配偶者が浮気し、離婚や慰謝料請求の話になると、「不貞行為の証拠は何が求められるか」という問題に必ず直面します。その際は、その証拠が「なんのために必要か」を考えましょう。離婚裁判で必要な証拠であれば、不貞行為を強く主張できるものでなければ、裁判での勝つ見込みが弱くなります。配偶者に謝罪してほしいというだけであれば、浮気の兆候をもとに話し合うだけで十分かもしれません。

どんな証拠が必要になるか、ケースバイケースです。自力で目的に合った証拠を集めるのが難しい場合は、浮気調査を専門に行う探偵事務所などに相談するほうがよいでしょう。

法律用語も、意味を理解できれば、自分の置かれた状況を客観的に把握するのに役立ちます。弁護士に依頼したほうがいいのか、自分で対策をとれる状況なのか。知識をもとに判断し、必要なときに適切な専門家の力をかりるのが、ベストな解決方法だと思います。

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