夫の浮気相手が同性だったら|バイセクシャルの浮気はどう対処するべき?
もし夫の浮気相手が男だったら…バイセクシャルの浮気はどう対応すべき?
夫が浮気している。相手はてっきり女性だと思っていたら男性!夫がバイセクシャルだと知っていて結婚したならまだしも、知らなかった場合は、浮気のショックに加えて混乱も大きいですよね。
夫の浮気相手が同性というケースは、珍しいとは言えますが、ない話ではありません。
本当は、女性と男性の両方が好きなバイセクシャルだけど、真実を妻に告げずに黙って結婚した。実は、男性が好きなゲイだけれど、隠したまま女性と婚姻生活を送っていた。夫の浮気相手が同性という背景には、さまざまな事情があります。
もし、夫の浮気相手が同性だったらどうしたらいいのでしょう?慰謝料請求や離婚する場合の法律は? 夫の性への理解を含め、対処法についてみていきましょう。
LGBTへの理解|自分と違うから分からないという時代じゃなくなってきている
LGBTという言葉をご存じですか? 一昔前までは、レズ・ゲイと呼ばれていた性的少数者を示す言葉です。
・男性同性愛者(G…ゲイ)
・両性愛者(B…バイセクシュアル)
・トランスジェンダー(T)/肉体の性別と、心の性別が一致しない人
これらの頭文字をとったのがLGBT。性的指向をと性同一性にまつわる、性的少数者の人を表す言葉として広く使われています。
最近では、このLGBTの方への世間の理解も広まってきました。男性が同性と関係を持つなんておかしい!という時代ではなくなってきています。
自分が性的少数者であることを、カミングアウトしていない人は大勢います。また、自分がそうだと明確に気づいていない人も。女性と結婚したけれど、本当に自分が愛せるのは男性だけなんだ、と後になって自覚するケースもあります。
世間の理解が進んだとはいえ、「自分と違う」という点だけで偏見を持ってしまう人がいるのも事実です。ましてや、夫がほんとうはバイセクシャルだと知ったら、驚くのも無理はありません。
夫がバイセクシャルではなく、本当はゲイで、愛せるのは男性だけだと告白されるケースもあります。夫が浮気したこと、そして相手が同性だということで、私のことを愛していなかったの?と混乱してしまうかもしれません。夫の性について、拒絶するのではなく、まずは理解することも大切だといえます。
相手が同姓でも浮気は浮気という考えは少し違うのかもしれない…?
浮気相手が同性とはいえ、浮気は浮気ですよね。
法律では、同性との性行為は「不貞行為」には当たらないとされます。なぜならば、裁判の過去の判例において、不貞行為の定義はあくまでも異性間のものと定めているからです。
日本の現在の婚姻制度は、一夫一婦制です。同性愛者の婚姻を認める法律は、いまのところありません。そのため、結婚は男性は女性の共同生活であり、その貞操を守るのは異性間においてだけと限定されて想定されています。
現在の民法の解釈は、夫婦の離婚事由となる「不貞行為」は、あくまでも異性との関係で発生すると考えられています。同性との性的関係は、「不貞行為」にはあたらないとされるのが法の上での考え方です。
しかしながら、法律では不貞行為にはならなくても、配偶者が同性と性的な関係を持てば、それは「浮気」と言ってよいと思います。配偶者が、自分以外の誰かとキスしたり、抱き合ったりするのに感じる拒絶感や嫉妬は、相手が同性であろうと異性であろうと関係ありませんよね。
浮気相手が同性であっても、それは浮気。配偶者がその行為を嫌だと思うなら、「同性だから…」という理由で、遊びとして許さなければいけない、という訳ではないと思います。
異性も同姓も両方好きな人にとって、どちらかに制限するのは酷な話?
バイセクシャルの人の特徴として、両方の性と関係を持たないと満足できない、という点があるそうです。もちろん、すべてのバイセクシャルの人に当てはまる話ではありません。
しかし、ずっと女性とだけ関係を持っていると、男性とも欲望を発散したくなる、という人がいます。この点は、性への理解がないと、本当にその人の心をわかろうとするのは、非常に難しいのかもしれません。
しかし、欲望を振りかざし、自分が性的少数者であるということを理由にして、既婚者でありながらよそで性的関係を持つのは、身勝手な言い分に思えます。
男女ともに関係を持ちたいのであれば、一夫一婦制となる婚姻関係は結ばずにいるべき。ノーマルであろうと、バイセクシャルであろうと、結婚して夫婦になった以上、婚姻か関係を継続させる責任があります。「バイだから」という理由で、外での男遊びを黙認してほしいという夫がいたら、それはさすがに自分勝手過ぎる主張といえるでしょう。
どうすべき?離婚すべきか、再構築すべき?難しく考えすぎ….
夫の浮気相手が男性だった。その場合、法律上の「不貞行為」には当てはまらないので、混乱するかもしれません。しかし、不貞行為ではなくても、「他婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚を申し立てることができるとされています。
民法第770条より
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
裁判で離婚を争う場合は、不貞行為を理由とするときと同様に、「婚姻を継続しがたい重大な事由」について立証する必要があります。ここでは、「夫がほかの男性と性的関係を持った」という証拠が必要になるというわけです。また、夫の浮気により、家庭関係がどのように影響を受けたのかという点も争点になるかと思います。
「相手は同性だから…」「夫はバイセクシャルだから…」と思っても、夫が外で遊ぶことが嫌だな、と思うのであれば浮気をやめてもらうよう伝えてもよいのです。
浮気相手が男ならよい、女なら絶対に許せない、というのは意味が違うと思います。あくまでも浮気は浮気。それが許せないなら、離婚を選択するべきかもしれません。
同性愛での浮気を理由に、夫婦が離婚したという裁判の判例は、少ないのが現状です。何を持って離婚の事由とするのか、裁判においてどのような点を主張するのがよいのか。法律に関する点は、早めに弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
浮気相手が同性の場合など、探偵事務所は浮気調査してくれるの?
慰謝料請求や離婚裁判のさい、上記で述べたように「他婚姻を継続し難い重大な事由」の証拠が必要になります。夫の浮気相手が同性の場合は、探偵事務所は浮気調査をしてくれるのでしょうか。
大手の探偵事務所によれば、「そのようなケースはない」とのこと。しかし、ほかの探偵事務所に問い合わせてみたところ、ごくまれに、そういった依頼があるとのことでした。
もし、夫がバイセクシャルだと妻も知らなかった場合、「浮気相手は女性である」ことを前提として、探偵事務所も調査します。そのため、本当の浮気相手を見落としてしまいがち、という話もあります。
通常とは異なるケースのため、依頼を何件も取り扱う大手事務所には、頼みにくいという背景もあるのかもしれません。もし、探偵事務所を探す場合は、無料相談で事情をお話した上で、相談しやすそうなところに依頼するのがよいと思います。